バスプロデビュー琵琶湖編

生まれて初めて訪れた琵琶湖。
夢のあるはずの琵琶湖。

しかし、私の初琵琶湖は悲惨であった…(自業自得だけど)。


よく理解しないままバスプロでの第2戦である琵琶湖に参加しビックバスを5本求めてレンタルしたハイドロスターのハンドルを握るSHINGOは一路リブレから琵琶湖大橋を超えて、雑誌にて仕入れた情報のこ小ノ浜に目指した。
各水路沖にあるウイードをビッククランク、ビックワームで50アップを入れ食い予定である。

タックルは河口湖と印旛沼と同様であるが…

①ダイワカーボウィスカーの662MLS

 シマノスピニングリール

②ダイワカーボウィスカーの662MLB

 ダイワのファントムのベイトリール

シマノスピードマスター

 シマノ10Magベイトリール

④ダイワの名のないスピニングロッド

 シマノのスピニングリール

⑤ケイロンのフィリッピングロッド

 シマノのベイトリール

これに太めのラインに、がまかつのフックで装備した感じである。


しかし
「確かこの辺りが小ノ浜沖なんだが…広くて絞れないぞ…」


琵琶湖は大きい(常識)。
日本一である(常識)。

しかも南湖という地図で見れば小さく感じるエリアの
での試合であるが余りにも広大に感じる…。

適当にキャストするもウイードはあるがバスが釣れない。

「では、オレのゲーリーグラブのテキサスで…」

するとノンキーパーが無限バイト、無限ヒットしてきた。
50匹位釣るもキーパーである30cm以上が一本も混ざらない。

周りを見渡すと何十人の選手がいてポロポロとキーパーを釣っている。

そして私の目に付いたのが、微かに見える浮見堂であった。


「あれの足場にはバスがいそうだ…」


浮見堂に移動しエレキで近づきながら、ゲーリーフラグラブのテキサスリグをリグりながらドキドキしながら接近をしていると…いきなりゴンッとボートが何かに当たり私はその勢いでボートから飛び出した。


「あッ?え?」


と気が付いたら琵琶湖に下半身ずぶ濡れで立っていた

「えー浅いのか…膝位しか水深がないから…落ちたのか…ひっくり返らなくて良かっ
たが…何故だか悲しいぞ…ポイント選びが適当過ぎたか…」

ブツブツ言いながらボートの後ろからに乗り込む。
びしょびしょのズボンのまま途方に暮れる。

「折角来たんだから…」

そのまま雑誌で紹介していた湖西側のポイントをエンジンで移動しては釣ってみる事にした。
しかし、釣れてもノンキーである。

気が付けば濡れた悲しみよりも琵琶湖のバスを釣りたいという思いがだんだん強くなってきた。

そして自衛隊の杭を発見し丁寧にゲーリーのフラグラブを打っていく…。
いきなりラインが走る…

反射的にフッキングする!

ロッドが立たない位のファイトである!!

何もできなままラインブレイク(14ポンド)であった…。

「なッ、なんだ?今のは?バスなのか?」

心臓はバクバクである。
手は震えていた。

「ココは釣れそうだ…」

気を取り直してキャストを繰り返すと…
ゴンゴンッという明確なバイトがあり40cmのバスをゲットした。


「やったーーー釣ったよ!キーパー釣ったよ!!」

その後はノンキーを何本か釣って帰着時間になった。

帰着し山下会長の所に行き
「あの〜ペナルティーは」

「あーー、今日、あなたは釣れましたか?」

「一本だけ釣れました」

「…では、入賞は無理だし今年初めてみたいなのでペナルティーはなしでいいでしょう…明日も頑張りなさい…」

「はい」

当時の大らかさが滲み出る逸話である。
まだまだ、バス釣りが集まって釣り自慢を競い他愛なく泣き笑うだけの釣り大会の慕情があったように思う。今では考えられない処置である。
現在は、賞金金額も多く、社会性も出てきてそうは行かないだろうが…。

てっきり失格か1kgのペナルティーかなと思っていたので、この処置に気が抜けて一気に空腹と睡魔を感じた。

「明日もがんばろう…」

ボート屋さんに帰着してタックルを片付けて車に戻る…。
お菓子とカレーパンを食べいたら気が付いたら寝ていた(気絶)…。

誰も知らないから一人で来て、一人で過ごす。
なぜか寂しいとか感じない…。

明日は…


続く