バスプロデビュー琵琶湖編

様々な事が頭を駆け巡る中をスタートした。

湖上でバスボート(ハイドロスター)に乗っていると
「何だかスゲーバスプロ」っぽく感じるし、みんなの視線も、そんな風に感じる(笑)。

取り合えず昨日の自衛隊の杭に向かう。
先行者がいて反対側から釣っていく(注・かなり長いので…)。
先行者がバタバタとナイスバスを釣り上げてキープしていく。

「すげー!もう釣っているよ…」
「すげー!もうキープしているよ…」

そして、私との距離が近づく頃にはリミットを押さえて移動していく・・・。

横目で見ていた私は「まるでマジックみたいだ…」と思う程の手並みであった。

私はゲーリーのフラグラブのテキサスリグに全てを賭けて釣っていくしか今の私にはない。
するとラインが走ったり、明確なバイトがあり3本のキーパーを釣る事ができた。

「最高だ。この感覚は最高だ。バス釣りはすげーー」

急にスピナーベイトを投げたくなって適当に投げてみた(注・ニュータイプ?)。
するとゴンッという重いバイトがありロットが立たないまま“ビックバス”がジャンプをしてスピナーベイトをひん曲げて水中に消えていった。



「 あーーーーーーバレた… 」




心臓がバクバクである。
推定50アップである。
未だ釣った事のないサイズである。
手も震えている。

「すげーよ。大人なのに…手が震えて止まらないし心臓もバクバクしている…信じられないぜ…」

「あーー今のをウエインしたいなぁ…快感だろうぜ…やっぱバスはすげーよ」
とブツブツと独り語を言いながら興奮している。

その後は、バラしたりノンキーだったりで釣りにならずに結局3本でウエインである。

みんなは40アップ、50アップを揃えて誇らしげにウエインをしている。
カイバスを釣った選手は写真を撮ってもらっている。

「いつかはオレも…」

強い日差しで顔がヒリヒリする。




レンタルボート屋さんに帰着してタックルを片付けて帰路につこうとしたら、朝に知り合った○○君が

「今日はどうだった?」
「今日は3本だったよ」


「オレはデカイのを何本も何本もバラしてさー…今からバスを釣りに行くんだけ一緒に行くかい?」
「今から?」

行きたいが身体が悲鳴を上げているし、帰路を考えると不安になるが

「1時間だけなら付き合うよ」
「OK」

そして1時間位(正確には2時間)釣りをしてバイブレーション、スピナーベイト
テキサスリグでキーパーと40アップを20本位簡単に釣った、釣れた…。
帰ってきたレンタルボート屋さんで
「凄かったな〜(笑)」
「これが試合で効けばお立ち台なのになぁ〜」

「次回があるじゃないか?」
「次回は違うパターンになっているよ…」

「違うのか?」
「違うよ。当たり前じゃん」

「…」
「じゃあ、オレは今日は泊まって明日帰るから!」


「え?え?」

様々な疑問が頭に残りながらも別れて、そそくさと帰路に着く。
帰りの車の中では“?マーク”だらけである。
回答を答えられる人は、今の私には求めても誰もいないし、知らない…天ノ邪鬼のメンバーも知らないだろうなぁ…。

関が原を越えたあたりから体調に異変が起こる。
そう睡魔である。しかも凶暴強烈な睡魔である。
なんとか名古屋まで一気に走ると急に眩暈もしてきた…。

「やばい・・・」

サービスエリアに入りトイレに行こうと車を降りたら転んでしまった。
慣れない緊張の連続の長距離運転に身体が悲鳴を上げて感覚が狂っていたみたいである。立てない。

「ここで寝たい(倒れたい)が、明日の会社の仕事を考えると何が何でも帰らなくては…まだ300km以上ある…」

トイレで顔を荒い再度スタート。
1時間も走らずに睡魔がMAXである。
サービスエリアに入り顔を洗う。

そしてスタート…。
そして睡魔がMAXに…。
そしてサービスエリアで顔を洗う…。

繰り返し繰り返し午前4時に帰宅した。


3時間程気絶して会社に行き会議に出るも死人である。
何とか定時まで勤めて家に帰り3日ぶりの風呂に入り3人前の食事を取り爆睡を貪る事ができた。

そして夢に入る前に

「二度と行くか…絶対行かない…でも釣れたら行ってもいいかな…あれは絶対50アップだし…絶対50アップを釣ってやる…」

こうしてSHINGOは、JBTAバスプロデビューの2戦を華々しく“勘違い”で飾った…(苦笑)。

このまま、このシリーズを続けていいのか?