バスプロデビュー編…

取り合えず続きを書きますね。

自分で言うのも変ですが、“デビュー時の新吾”から“現在のSHINGO”は別人のようである…(笑)。

JBTAという団体で“優勝”をすると、釣具が沢山買える程度で参加してしまった為に…新人サラリーマンの波乱の幕が上がった。

会社での仕事は、非鉄金属化学分析装置(ICP、ケイ光X線、グラファイトアトマイザー等)での前処理、計測、報告がメインであった。超多忙ではないが、そこそこ忙しい日々を送っていた。土日は一応休みであったので試合に参戦はできる…はずである。

その合間に天ノ邪鬼のメンバーと陸ッパリの釣りをしていた。
その度に会長や相棒等に

「琵琶湖って行った事はあります?」
「知らん」

である。

会長がトラックを転がしている関係で近くまでは何度も行ったが…「確か、大津か栗東あたりだろう」

雑誌には

『琵琶湖で50アップは当たり前!』
『一日100匹も当たり前!!』
『入れ食い!!!』

そんな記事ばかりである。

「今度は楽勝か?」

そんな甘い夢を抱きつつ準備をする。

琵琶湖で華麗にアルミボートデビューを果たそうと思ったが、私が注文したボートは横浜に来たばかりでデッキ貼りがまだな為、今回もレンタルボートを借りる事にした。(確か、ハイドロに30馬力で一日13000円なり)
金曜日の会社が終了後に車(トヨタ・カリーナ)に荷物を詰め込み19時30分に出発である。

東名自動車道を走り、栗東で降り、下道で30分位と予想。
走行距離600km弱である。ノンストップで7時間位(午前2時)には到着予定。

されど、走れど走れど着かない。名古屋付近まで頑張りましたが睡魔がMAXを超えて少し気絶。1時間位倒れてガソリンを補給し再出発。初夏の旅であるが真っ暗な高速道路は単調で…すぐに睡魔に襲われる。

名古屋を越えてあたりで
「琵琶湖までの下道がよくわからないなぁ…」
地図を調べようと珍しい事をしたら…
「載ってないぞ?…関東版??全国版は…家に忘れたのか?」
「どうやって行けばいいのか?」
「帰るか?」
しかたがないのでサービスエリアで地図をゲット。

栗東インターに着き下道に入るも地図の見方がよくわからない…(昔は道路に何号とかの標識が殆どなかった)

迷いに迷い奇跡的に琵琶湖大橋を渡ったのが5時近く…気の早い選手は大橋麓にある試合会場のリブレに集まってきているのが、大橋を通過しながら見ていた。

「早くしないと…やばい」

大橋を渡り左に曲がりボート屋さんまで走る…かなり走った頃に案内版があった。
「この先、2km…まだあるのか?」

琵琶湖南湖の広大さが実感できていない。

ボート屋に到着した時は、他の選手は出発した後である。
慌てて準備をして、簡単な説明後に初めてのバスボートに乗る。

ドキドキなまま琵琶湖大橋へ向かう。

「こんなに広いのか…」

途中迷子になり(?)会場に到着した時は、他の選手がスタートをしている最中である。

ボートを着けて会場に走る走る走る。
会場ではスタッフが怪訝な顔で私を見る。
「どうしたんや」
「遅れました」
「はぁ?」

その横に山下会長が来て
「君は失格だ」
と簡単に言われた。

「え?、何とか関東から来て失格ですか?」

「関東からの遠征か…じゃあ、ペナルティーで良ければ失格ではない…」

「ペナルティー?」

「後で考えておくから…早く受付を済ませてスタートしなさい」

「はい…」

よく理解できないが、取り合えずスタートし、帰着してから考えよう…。

睡魔、腹ペコ、方向感覚ゼロの私にバスは釣れるのか…

続く