やはり、やはり釣りは面白い

『魚釣り』とは魚を釣り道具を使って手にする事。
単純な事であるが、これがなかなか釣れない。
禅問答のように時間が過ぎていく。
過ぎ去る時間も面白い。
外見は穏やかに見えても心も頭も猛烈に動いている。
いや、働いている。
水辺を見ながら釣り糸を垂らしていると、あれこれと釣るであろう魚の事を思い描く。
記録的な大魚だったり、ありえない釣果だったり。
釣る為の天啓を受けたり。
釣り方や魚を見失ったり。
何百回、何千回と繰り返しながら釣っている。

釣り道具を通して魚を手にしていく。
その釣り道具も魚種によって微妙に変わる。
季節や地域によっても変わる。

だから釣るために魚に精通し、なおかつ道具にも精通する。
これを拘りという。
実に愉快だ。
あれや、これやと想像と妄想を現実に投影していく。

すると未来の釣道具が蜃気楼のごとく見えてくる。
うっとりと至福をかみ締める。


時として「オレは病気なのか?」と心配になるが瑣末な事だろう。


こうしながら歳を重ねている。