グッジョブ!!


ナイスバスを親指から血が出るまで釣る。
バス釣りを始めた頃の憧れの一つであった頃を思い出す。

バスフィッシング
アメリカから来た舶来からの遊び。
生きエサの代わりにルアーを使って釣る遊び。
大柄なアメリカ人がカラフルなルアーというモノでバスを釣り上げ“ドヤ顔”をしている写真を見た時は胸がドキドキした。

「いつかは、ルアーでオレもやってみたい…」

幼少の頃から地元にある釣り具屋さんでエサを買ったり、小道具を買ったりして釣りをしていた。
ある時、釣り具屋さんの片隅にルアーを見つけた時は心臓が止まるかと思った。
その価格を見たときは心臓が数秒間であるが止まった。
それから数年が経ちバス釣りが出来る年齢になり、雑誌を貪る様に何度も何度も読んでは感嘆の声を上げていた。

「こんな、おもちゃで釣れるのか?」

もし、釣れるものなら釣ってみたい…。
今でも、たいした大きさではないがファーストバスは忘れられない。
何匹も何匹も釣っていけば行くほど熱は上がるばかり。


いつしか“ドヤ顔”の写真が雑誌のコーナーに乗った。
5cmx5cmの大きさで一言コメントの画像である。
全国から何百人もが自慢の一枚を送り、20名ほどが選ばれたコーナーである。
ハニカムような微妙な笑顔のオレがいた。


釣れたルアーに「グッジョブ」と言って、語りかけて「どうかバスがつれますように」と祈りながら時間の許す限りルアーを投げていた。釣れた時はルアーに名前を付けたり、悪戯書きをしたりして“オレのルアー”であるのが分かるようにしていた。その内、プラモデルのように少し改造を始めた。そのルアーで釣れた時は至福、陶酔、感動をし身体が震えた。決して改造と言えない悪戯であるのだが(笑)

今は、ルアーを手掛ける側になった。
責任重大である。
“釣れるルアーだけど溺愛できるルアー”
オレだけが釣れるのではなく誰にでも釣れるルアー。
それが出来たのです。
SHINGOシリーズのルアー達を使う時は、あの頃にようにワクワク、ドキドキしながら使っている。
今でも釣れる度に心を込めて「グッジョブ」と囁き掛けている。