まさにファンタジーの世界
雪である。
深夜からしんしんと降る雪が少し積もった埼玉県。
珍しく一面の銀世界が広がる。
ヒンヤリと身体が芯から冷える。
よーーーく真っ白な雪に目を凝らすと
「あッ、何かが見えます、見えますか?」
ガタガタと寒さで震え思考回路が無くなってくる。
すると、今度はBOXが開いて…
ブレイドスクリュー君のチャート君とリアルワカサギ君が飛び出してきた。
雪の中に半分近く埋もれるように立っている。
「さみーよね」
「さみーよな」
何やらヒソヒソと声が聴こえる…。
どうやら寒さを凌ぐ“かまくら”を造っているようだ。
「なかなかだね」
「なかなかだな」
「でも、二人じゃあ寂しいよね」
「ああ、二人じゃあ淋しいよな」
「まだ、寂しいよね」
「まだ、淋しいよな」
すると、K−1MAC君とダブルスクリューのワカサギ君が遊びにきた。
かまくらの中にゾクゾクと集まって来た。
「遊びたいね」
「遊びたいな」
すると、寒さからか相撲を始めた。
笑声に怒声に罵声にワイワイ、ガヤガヤと賑やかに遊んでいる。
余りにも、賑やかな光景に笑ってしまった。
すると、全員が振り返り私を見ている。
「帰ろうよ」
「帰ろうな」
「はッ、オレは寝ていたのか…」
真冬の怪奇現象だったのだろうか。
それにしても、実に面白い経験をした。