ソルトのショアの話を聞いてくれ…それは8月8日に行った

w-shingo2006-08-10


…回想…

8月7日の夜、とある駅に一人の男が降り立った。
「SHINGOちゃん、到着したよ」
「OK!佐久(長野)から無事到着したみたいで…すぐに迎えにいくから」
でもしてるよ」

明日が嵐(台風接近)と知りつつも私との釣行に同行すべく長野から駆けつけた男である。
有名人でもあり、私と同類の奇人変人の血を感じる。

出会いは昨年の初夏の野尻湖である。その時に謎深き2人組と知り合った。
2人共同じ血を感じ、気がついたら3人で話をして盛り上がっていた…。
一人は佐久市に、もう一人は藤沢市に住む男である。

台風接近で釣行が危ぶまれた、静岡県は沼津のショアからの青物フィッシング。
天気図はイエローカード状態であるが、私は諸問題が多く、身体中の血が騒ぎ一人でも決行状態(臨界状態)でいた。そんな日に長野から「行くよ」と遊びに来る(今、思えば私の臨界状態を察知して緩和しにきたのかな…)というフットワークの軽さである。
軽く飯を食って荷物を車に積み込む。
そこに、後輩が合流する。古い付き合いになる後輩である。『未完の大器』と期待し20年が経つ…。

3人でアタックである。
現場には2時半に到着し、寝る事のできない状態なので準備をして海岸に出る。

「おーーなんて、幻想的な光景だろう」
夜空に満月(月齢14日)が輝き、穏やかな水面にも輝いて写る、その後方では暗雲の合間は雷が煌びやかに奔り廻っている…。

「“この世”と“あの世”が視えるようだ…」

あまりの綺麗な幻想的な光景に暫し時間を忘れてしまう、そのまま海岸の玉砂利に疲れた身体を沈める。
「真夏なのに涼しい風が心地いい、雷の稲光の光と音、満月の光はやさしく私を照らすようだ…至福を感じるなぁ…」

3人で語り合いながら日の出を待つ。

そろそろ日の出かと思う頃に雨が降りだしてきた。

「ついに台風接近か…」

されどキャストを繰り返すも反応もナブラもボイルも起こらない、代わりに水面に雨足が強く叩きナブラのようになる。
風も心地いいから横殴りに変わる。

午前7時には雨具は何の役にも立たない。
後輩は雨に打たれ過ぎて撃沈。
友と二人で海岸沿いを歩きキャストを繰り返す…。

9時になると雨、風が弱まり水面が落ちつくと遥か沖では物凄いナブラとボイルが起る。

「すげーけど遠すぎてダメだね、もっとコッチにこないかな」
「そうだね、凄いボイルだ…」

30分もすると、再度雨が降り、風が凶暴に吹くとボイルもわからなくなる。
横からは濁りが入ってくる。

「もう限界か…」

35gのメタルジグ(シーフラワー)をフルキャストし高速リトリーブやストップを繰り返している腕、肩、足がガクガクしてきた時に

『ゴンッ』

とバイトがありフッキングするも乗らない。
「あーー何の魚だかわからないがバイトした」

同じ辺りにフルキャストをすると

『ゴンッ』

フッキングが決まるが途中でタカ切れをする。
「あれ?参ったなぁ…3年前から巻き替えをしてないからか…」

雨の降る中、ラインを東レのエギングSPの1号を巻き直す。(ゆとりではなく思考回路がないからできたのかな)
巻き直し、リーダーにバウオの12lbを1m付け、メタルジグ(ラフェスタの42g)を付け替えて濁りの境まで走りキャストをする。

『ゴンッ』

勝手にフッキングが決まる。
「やったー、すげー引くけど何だ?」
友も私のファイトを見て遠くから近づいてくる。
友の到着と同時に波に乗せてランディングすると
45cmもあるゴマサバであった。
「でかいサバだなぁ…」
写真を撮って活き締めにする。

土砂降りの中、友と二人で笑いが止まらない(注・壊れた)。
そのままキャストをすると『ゴンッ』と来た。
同じサイズのゴマサバである。

友はジグヘットのワームでコチやヒラメ狙いになっているが、このシーンをみいてメタルに変えてキャストをし始める。
友のロットが曲がる。
「うぉーやったね」
「やっと…」
急にテンションがなくなる。
「あれ?バレたー」
「残念残念」
13時まで頑張るも、天候も体力も限界なため撤収を決める。

帰り際にラーメン屋の『ばんから』に入り、復活して後輩と3人で“秘蔵らーめん”なるラーメンを食べる。
疲れと腹が減っていたから一気に食うも味がよくわからない(笑)。

渋滞で埼玉に入ったのが18時過ぎでしたが私は最高の釣りが出来たと思います。
サバ部(注・サバイバル部主将である。ただし部員は2人)を彷彿させる最高の日であった…。

「友よ、ありがとう!、後輩よありがとう!!」
ただし、翌日から筋肉痛にならなければ、さらにいいのですが…(笑)


そんな台風接近の中でしたが幻想的な釣行紀。

「あなたは、台風の中で釣りをした事はありますか?」