コードネーム:サイレンサー(SHINGOワンダー)


発売されて3年が経ちます。
ダブルスクリュー(SHINGOスクリュー)の影に入って目立ち難いルアー。
(注・画像は私の宝物です)

今から10年前にNMM(ノー・ムーブ・ミノー)実現計画が始まりました。
HMKLのジグミノー、K−165のリップ折り、ワンダー、スレンダーポインターリップ削りを基本ボディーにして始めました。
真っ直ぐに泳ぐルアーです。
偶然なのでしょうが、このやっている最中にラッキークラフト様と契約をしました。
サイレントベビシャが成功したので次回作品としてプレゼンをしました。

しかし、答えは“ノー”でした。
理由は、動かないルアー?
ルアーは動いて何ぼでしょう?
釣れないでしょう?
売れないでしょう?

明快な答えです。
何度も交渉して2年が経過。
もし、1年早ければ時代が変わっていたと思いますが、それは時代が決める事です。


コンセプトと基本設計をしてサンプルを作っていきましたが、動いてしまうルアーができてきます。
背ビレが大きかったり、小さくロールしっぱなしだったり、V字の引き波が大きかったり、重かったり…。
その度に何度揉めた事か(苦笑)


そのサイレンサーの最終サンプルを手にした時は痺れました。
しかも、予算の都合でこの4つから選ばなければならない段階です。
もし、ダメなら中止です。
正直「それもいいか、中途半端なモノを出すよりはいい」と決めてました。


奇跡が起きました。
絶妙に動かない。
しかも背中に付いたヒレが絶妙で理想的なV字の引き波を立てる。
(注・一定に引きながらワザと水面に近付けると背ヒレで水がヨレてV字の引き波を出す現象)
私の考える絶対比重もクリアーしました。


全身の毛が逆立ちました。


話の落ちとして量産体制の遅れで発売も遅れてジャッカルのセイラが先行しました。
流石、天才の山木君と加藤さんのコンビです。

こうして生まれたのがサイレンサーです。
クリアーウォーターでは一番釣れました。
これから、活躍してくれるルアーですね。
ノームーブミノーが流行ってきて真価が問われれば理解できるでしょう。
だって魚が釣れるから(笑)